
花シェルジュとは
花シェルジュとは、花の品質管理やお客様への提案を専門的に行うための資格認定制度です。農林水産省の推進事業として設立され、花の専門店において品質管理を行い、花にまつわる様々な相談に応じることで、お客様の満足度を高められる人材の育成を目的としています。
花の消費は、1990年代をピークに減少してきました。この課題に向き合うために花き業界全体で行った調査で、消費者からは、花の種類や価格といった購入時の基本的な要件に次いで、「花の日持ち」を気にするという結果が浮き彫りとなりました。お客様は、花の美しさだけでなく、その花が長くそばにあってほしいと期待しています。
お客様の手元に届いた後も、暮らしの中で花が美しく咲き、散るまでの時間を長く楽しんでいただきたい。
切り花はすぐに枯れるというイメージを払拭し、より多くの方々に花を手に取ってもらうことで、花き業界全体の活性化にもつなげたい。
このような思いから、花の品質管理に関する知識を学ぶことができる『花シェルジュ認定講座』が立ち上がりました。
時代の変化と花と人との関係
花は古来より、その美しさで人々を魅了してきました。
美しい花が咲いた先には収穫できる実があるため、人は花を大切にしてきました。花自身も種を広げるために、生き物に好まれる形へと進化してきました。ネアンデルタール人は、弔いのために花を供え、古代文明の遺跡からは、供えられたヤグルマソウの花粉が発見されています。特別な存在の「印」として、人は本能的に花に惹かれるようです。
こうして花は、世界中で宗教的儀式や芸術、文化、日常生活において重要な役割を果たしてきました。日本においても花は、冠婚葬祭や贈り物、イベントなど、特別な瞬間を彩るために「必要不可欠」な存在でした。
しかし、現代では花以外にも、人の関心を惹きつけるものがたくさんあります。ライフスタイルも多様化しました。
だからこそ、花ならではの価値を再定義し、現代の生活者に向けて「どのような人が」「どのようなシーンで」「どのようなニーズに」花の提供価値が応えられるのかを明確にする必要があります。
花を扱う人は「なぜ花でなければならないのか」を常に考え、価値を提供しなくてはならない時代になってきています
今の時代の花の専門家に求められること
その一方で、趣味や嗜好に合わせて「花のある暮らし」を楽しむ人が増えてきているのも特徴です。
花を選ぶ人は、暮らしの中で花と積極的に関わることを望んでいます。
そのため、花を販売する人には、次のような役割が求められます。
- お客様が自宅に持ち帰った後も長く楽しめるよう、新鮮で日持ちのする花を届けること
- 花の適切な手入れ方法を伝え、お客様に花と向き合う楽しさを知ってもらうこと
- 花の歴史や文化、効用についての知識を持ち、お客様にその魅力や価値を伝えること
こうした知識と実務経験を持った人材を育て、花き業界を一丸となって活性化させたいと願い、『花シェルジュ認定講座』が完成しました。
花シェルジュの役割
資格取得のための講座では、花の品質管理や生産・流通、花の文化や効用、マーケティングと販売方法など、多岐にわたる内容が学べます。
花の専門知識と提案力を兼ね備えたプロフェッショナルとして、花き業界の活性化とお客様の満足度向上に貢献するのが花シェルジュの役割です。
花を大切に扱い、奥深い花の世界を迷うことなく案内し、一人ひとりに合った良い花を届けられる人。それが花シェルジュです。
「花を売る人」から「花のある暮らしを提案できる人」を目指しませんか?
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パソコンでもタブレットでも、いつでも学習を進めることができます。